保健室の榊原先生【ばちうま】

学校という閉鎖的で平穏な空間の中で、保健室という場所が持つ独特の淫靡な空気感が、榊原先生というキャラクターを通して見事に表現されています。大人の包容力と、時折見せる妖艶な仕草のギャップが素晴らしく、生徒であれば誰もが一度は抱く「保健室の先生への憧れ」を、理想的な形で具現化してくれたような作品です。

先生の柔らかな肌の質感や、吐息まで聞こえてきそうなほど密度の高い描写には、圧倒的な没入感がありました。強引すぎず、しかし確実に一線を越えていく背徳的な展開に、ページをめくる手が止まりません。単なる過激な描写だけでなく、二人だけの秘密を共有しているという心理的な高揚感が心地よく、読後感も非常に満足度の高いものでした。榊原先生のミステリアスな魅力に、最後まで翻弄されっぱなしの一冊です。